道路空間の活用促進、沿道建物の用途誘導、デザインコントロールなどによるストリートの統合型都市デザイン
兵庫県姫路市、JR姫路駅から世界遺産の姫路城へとまっすぐ伸びる大手前通りは、約800mに渡って質の高いデザインが施され快適に歩ける環境が整いましたが、沿道建物には商業用途が少なくファサードも閉じており、周辺事業者、市民などによる積極的な活用はありませんでした。
このプロジェクトはそんな大手前通りの魅力向上を目指し、2019年より市からの委託を受けて本格的にスタートしました。HBPからの業務の提案においては、街路そのものではなく沿道建物低層部の在り方や周辺事業者による民間主体の空間運営等が魅力向上のカギとなることを提案し、沿道企業を中心とした協議会の中でのプロジェクトチームの組成、活用社会実験の実施、民間による将来ビジョンの策定、活用スキームの構築、沿道の空間デザインガイドライン作成などを5年間かけて丁寧に進めていくプロセス・デザインを行いました。
その上で、沿道企業を中心とした協議会が自ら企画し、大手間通りの将来的な魅力的なシーンを来街者に体感してもらう機会として2019年11月の1ヵ月間「ミチミチ」と題した社会実験を実施し、2020年度からは約1年間に渡って実験を継続しました。その成果もあり、2021年には大阪、神戸と並んで日本初の歩行者利便増進道路の指定を受け、定常的な活用と持続可能なストリート・マネジメントの挑戦が始まっています。 将来的には、行政との連携を継続し、駅や駅前広場、近隣公共施設、商店街等の周辺エリアへと広がるまちなか全体の魅力が高まっていくことを目指していきます。