まちの担い手を発掘し、自立・持続・継続的な自主運営を行う
大阪市旭区の千林商店街は、古くから大阪と京都を結ぶ要所で「市」として栄えてきた場所で、現在でも大阪三大商店街に数えられ、個店の3代目も活躍する活気ある商店街です。その一方で顧客の高齢化・固定化、ヒョウ柄安売りなどのステレオタイプのイメージ、商店利用者のニーズをくみ取る機会がないなど、将来に向けての課題を抱えていました。
そこで長期的な商店街のにぎわいづくりのためには、商店街だけでなく広く「千林界隈」のファンを増やすこと、それを実現していくプラットフォームが必要だと考え、地域の生活者と商業者で合同で編集チーム作り、地域の魅力の発掘のとPRを行う『千林界隈の暮らしをもっと楽しくするプロジェクトー1000 ピースプロジェクト』が立ち上がりました。
地域での取材や紙面作成までを自ら行うフリーペーパー「みてみて1000ピース」の発行を中心に、イベントやチャレンジショップ、店舗のリノベーションなどのいくつものオリジナル企画が生まれ、現在でも自立した組織として、地域での情報発信を継続しています。
ハートビートプランはプロジェクトの企画や人材発掘、チームビルディングや編集チームメンバーによる個別の企画の支援などを幅広く担当し、持続する仕組み作りのサポートを行いました。
■プロジェクトの概要
1.まちの担い手発掘・商店街+地域住民でチームをつくる
商店街の若手メンバー10名と公募された地域住民14名がひとつのチームとして活動する。活動を次世代へ渡すバトンも用意する
2.暮らしの魅力を取材と、コンテンツの収集
商店主や商品、エリア内での暮らし、他商店街などを取材する
3.魅力発信・メディアづくり
フリーペーパー、HP、掲示板を制作し、取材コンテンツを地域内外へ発信する
4.利用者ニーズを抽出した交流会・イベントの企画運営
同テーマに興味のある人で集い、コミュニケーションを促進する交流会やイベントを開催し、ネットワークを構築する
5.地域構成員が支えるプラットフォームづくり
近隣商店街や地域のコミュニティ、鉄道会社、NPO、企業、地域活動協議会など、地域の地域構成員がプラットフォームを支える状況をつくる
■自立・持続・継続するための工夫やポイント
1)自主的なプロジェクト運営体制の構築
・現在のプロジェクトチームが自主的に活動を運営できる体制をつくる
・紹介の連鎖を利用して、地域のキーパーソン・ヒアリングを30名ほど行ない、新たな担い手や人材発掘を進める
・1期生と2期生が合同で大型イベントを企画・実行するなど、共同作業を通してチームビルディングを行う
2)地域内外へ暮らしの魅力を伝えるツールづくり
・フリーペーパーやホームページ、掲示板などの情報発信媒体をつくる
・地域構成員それぞれが持つネットワークや経営資源を活かした情報伝達の体制を確立する、あわせて媒体運用のルールをつくる
・各企画や交流会などのリアルなコミュニケーション手段のモデルをつくる
3) プロジェクトが継続できる仕組みづくり
・地域構成員(商店街・地域コミュニティ・企業など)の参加する意義、活動の評価と改善の仕組みづくり
・独自財源確保のための媒体広告や取組みに対する協賛の模索