10月19日(土)に水都大阪の10周年を記念して、水都大阪アニバーサリーナイトが開催されました。
苦労話も今なら笑って話せる、水都大阪の10年を感じる楽しい会になりましたので、そのレポートをお届けします。
司会は泉とE-designの忽那さん。
この2人を含む、水都の初動期から共に取り組んだ8名が水都大阪アニバーサリーの発起人です。
●水都大阪アニバーサリー 発起人
室井 明 元・水都大阪2009事務局長
泉 英明 有限会社ハートビートプラン代表
嘉名光市 大阪市立大学大学院 教授
忽那裕樹 株式会社E-DESIGN代表
佐井秀樹 関電アメニックス執行役員
寺浦 薫 甲南女子大学 メディア表現学科 准教授
中野亮一 大阪商工会議所 理事 地域振興部長
山崎 亮 studio-L代表
会は、室井さんによる水都大阪の振り返りと今後の提案、中野さんによる乾杯の挨拶によりスタートしました。
第1ターム
●和田真治さん(南海電鉄)
南海電鉄で受託している「とんぼりリバーウォーク」のお話
現在では年間約200件のイベントを開催しており、市が管理していた頃の約4倍になったそうです。
●寺浦薫さん(甲南女子大学メディア表現学科)
おおさかカンヴァスの取り組みで、街にアートを出現させるための裏話についてお話しいただきました。
2013年のおおさかカンヴァスでは中之島GATEエリアで作品を展開していただき、それをきっかけに維新派による公演、中之島漁港の誘致など様々なことが動き出しました。
●松本篤さん(RETOWN)
中之島GATEで大変お世話になったRETOWNの松本さんは、中之島漁港をかわきりに、2019年1月より運行をスタートさせた日本初の寿司船・楼船さえき、2020年1月にオープン予定のTUGBOAT TAISHOなど水都大阪にしかないコンテンツをたくさん生み出されています。
元・大正区長 筋原章弘さん(現・港区長)もお客さんとしてお越しになっており、TUGBOAT TAISHOの舞台裏についてコメントをいただきました。
オープンがたのしみです!
★中之島漁港
★楼船さえき
★TUGBOAT TAISHO
★中之島GATEの取組について(HBPブログ)
●奥谷崇さん(日本シティSUP協会)
水都大阪の朝の風景として定着している朝SUP。
非動力船ならではの気軽さ、そして、奥谷さんのアイディアに新しいSUPの開発によって、いつも新しい水都大阪の水上の楽しみ方を生み出しています。
コミュニケーションターム
●ソーニャさん
ポートランドでランドスケープ事務所に勤め、現在は日本の水辺の活用を研究するために社会人留学生として1年間日本に滞在しているソーニャさん。
中之島公園にはじめて訪れた時、大人数でも、一人でも気持ちよく過ごせることができる場所がまちなかにあることにとても感動した!と話しており、水都大阪にある均一でない多様な風景の価値を再認識しました。
第2ターム
●川上卓さん(大阪府都市整備部河川室)
管理者の立場から、水都大阪の取り組みについてお話していただき、水都大阪は、官と民の両者が前向きに取り組んだからこそ、実現できた取り組みだと実感しました。
●白神吉江さん(SUNSET2117)
水都大阪の原点とも言えるSUNSET2117。
SUNSET2117をうみだした初代オーナーの勇祐さんの自らが楽しむことで水辺の楽しみ方を伝えてきた姿や今後の展開についてお話ししていただきました。
●中野弘巳さん(御船かもめ)
可愛い船で大阪の水上を走る御船かもめ。
舟運で稼いでいく苦労とそれに負けないこれからの希望を感じるような熱いプレゼンでした。
●佐藤裕久さん(バルニバービ 代表取締役)
中之島公園にあるGARB WEEKSなど、全国の公共空間で素敵な飲食店を運営しているバルニバービ。
前段の水都大阪で活躍する人々のプレゼンの感想、全国で事業を展開している苦労を踏まえて、水都大阪の官民協力体制が全ての様々な活動が生まれる推進力になっているとお話していただきました。
★バルニバービ
★バッドロケーション戦略で地域活性化(Sankei Biz)
第3ターム
●ヤノベケンジさん(アーティスト)
火を噴く船・ラッキードラゴンをはじめとして、水都大阪を盛り上げる様々なアートを生み出してきたヤノベケンジさん。
街中でアートを展開することの理解を得るための大変さ、その意義を笑いを交えてお話しいただきました。
●寺内雅晃さん(国土交通省都市局まちづくり推進課 専門調査官)
淀川アーバンキャンプを進めてきた寺内さん。
東京から大阪に来て驚いたことは、官民が連携する大きな枠組みがあることであり、この枠組みがあるからこそ淀川アーバンキャンプが実現できたとお話いただきました。
●岩本唯史さん(水辺総研 代表取締役)
ミズベリングを全国で広めている岩本さん。
全国の水辺での活動を踏まえた上で、大阪の水辺を進める推進力を「大阪力」として、「巻き込む力」「ギリギリアウト」「おもしろがる」「自ら責任をとる」「投資する」などのキーワードで評価していただきました。
●橋爪紳也さん(大阪府特別顧問)
最後のプレゼンは、橋爪さん。
自身の幼少期の大阪の水辺の思い出から水都の大きな動き、今後の万博へのつながりまで紹介され、水都大阪の原点は一人一人の想いだなと感じるプレゼンでした。
最後は、嘉名先生(大阪市立大学)による終わりの挨拶。
次の10年も水都大阪を更に盛り上げていきたいですね!
おわりに
懐かしい方々との再会もあり、話の尽きない一夜で、プレゼンの間の交流タイムも大盛り上がりでした。
==泉の感想コメント==
2001年に府市経済界のタッグでスタートした水都大阪プロジェクトは、市民サイドのゲリラ活動と行政&企業の活動の人たちが初めてコラボする「水都大阪2009」というシンボルイベントで大きな転換期を迎えた、それから10年経った今の大同窓会。
愛のある人たちが水辺の日常をつくってきたんだなあと改めて感動したし、プレゼンが全部おもろすぎる!
次の10年はもっと若い世代が担ってくれるように、僕らはその仕組みを作らんとあかんなあと再認識。
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水都大阪は誰か一人が作り上げたものではなく、官・民も垣根なく、純粋に、水辺で楽しみたい!この場所をもっと良くしたい!という、熱意によって生み出されているということを実感する楽しい会でした。
(ひで&しおり)