愛知県岡崎市で実施している「おとがワ!ンダーランド」の取組が国土交通省が主催する手づくり郷土賞2019の一般部門でグランプリを受賞しました!
▲おとがワ!活用実行委員会・事務局の岩ケ谷さんと岡崎市の大河内さん
弊社は、2016年に岡崎市のNPO法人岡崎まち育てセンター・りたと共同で事務局として、立ち上げ支援に関わりました。
現在は、地元の活用主体が中心なり組織するおとがワ!活用実行委員会が運営を行っています。
おとがワ!活用実行委員会の事務局の岩ケ谷さんの受賞の喜びのコメントです。
『今回の受賞は、乙川を楽しい場所にしたい!という想いや、チャレンジ精神をもって、今日に至るまで僕たちと一緒になって活動し、まちに豊かな風景を生み出している事業者・活動団体の方々がいてくれたからこそ。
今回の賞をはげみに、これからも多世代に愛され、一人一人の大切な物語が生まれる、そんな場づくりを行っていきたいです!乙川最高です!』
■■手づくり郷土賞とは?■■■
日本の各地で、地域特有の自然や歴史、伝統、文化や地場産業等を貴重な地域資源として見直し積極的に利活用した、魅力ある地域づくりの事例が数多く生まれてきています。
「手づくり郷土賞」は、このような地域活動によって地域の魅力や個性を生み出している良質な社会資本とそれに関わった団体のご努力を表彰するものです。また、これらの好事例を広く紹介することで、各地で個性的で魅力ある郷土づくりに向けた取組が一層推進されることを目指しています。
「手づくり郷土賞」は昭和61年度に創設され、令和元年度で34回目の開催となる国土交通大臣表彰です。
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乙川は、東岡崎駅から徒歩約5分で到着する、まちなかにある自然です。
かつては、街の中心にあり、川遊びなどに使われていましたが、治水工事等が進む中でだんだんと使われない空間になってきました。
そのような状況の中、2015年11月に乙川リバーフロント地区が河川敷地占用許可準則に基づく都市・地域再生等利用区域に指定され、民間による営業活動等も含む活用が可能になり、その後、2016年より、今回受賞したおとがワ!ンダーランドの取り組みが始まり、河川敷・水上活用の一般募集を行いプログラムを実施する、乙川の使いこなしがはじまりました。
当初は、どのような活用が乙川にとってふさわしいのかを悩むこともありましたが、年を重ねる毎に定期的なプログラムも増え、毎週何かが行われている場所となっています。
▲2018年の乙川エリアで実施されたプログラムの一覧(出典:おとがわエリアビジョン)
2017年・2018年と乙川の目指す姿を官と民で緩やかに共有する「おとがわエリアビジョン」の作成・更新を行い、その作成の中で乙川をフィールドとして活動している方々のお話をお聞きました。
みなさん、乙川への愛がいっぱいで「乙川だからこそ◯◯をやりたい!」という熱い想いの方がとても多いです。
しかも、その方々は、世代も仕事もバラバラ。
小学生から、そのおじいちゃん・おばあちゃんの世代の方まで「乙川」という場所を通じて繋がり、交流が生まれています。
そんな熱い想いを持った方々に愛されながら使われている乙川は、活用を開始する前と比べても、お散歩する人や遊ぶ子どもたちなどイベントだけでなく、日常的に使う方々が増えて来ているように感じます。
※乙川の日常の風景は、このフォトブログで見ることができます
https://otogawonderland.jp/
また、「河川」という自然条件は、他の公共空間などと比べても、おおらかでもあり、過酷なものでもあります。
大雨がふり、ひとたび増水の危険性が上がったら、全て撤去しないといけません。
社会実験として実施していた殿橋テラスも、台風等が接近し増水などの危険性があると撤去しなければならない条件下で実施してました。
▲殿橋テラスの様子とMAKITA BOYS
殿橋テラスでは、MAKITA BOYSという所属も違う乙川、殿橋テラスを愛する仲間たちが、撤去時には楽しみながら協力し、撤去を行なっています。
川で活動を行うということは、そのような危険性と常に隣り合わせで、そこと向き合いながら、自然と共存しながら活用していく必要があります。
MAKITA BOYSは、ミズベリング主催の「川ろうぜ!街がえようぜ!大賞」でオーディエンス賞も受賞しています。
※「川ろうぜ!街がえようぜ!大賞」レポート
そして、何と言っても大切なのは川の上流部なども含めて「流域」単位で捉えていかないといけないこと。
11月に行われたおとがワ!活用実行委員会主催の「川ぐらし」は、乙川の上流部の額田地区と連携し、乙川流域にまつわる人・モノ・コトが集まり、食べる・遊ぶ・学ぶが全てが詰まった素敵なイベントでした。
■■川ぐらし コンセプト■■
乙川の水で育ったお米やジビエ、鮎など、旬の味覚を楽しむ飲食エリア。地産木材をつかった体験・ワークショップなど、山や森の恩恵を感じながら乙川についてより深く知るきっかけをつくります。
食べながら、飲みながら、楽しみながら、知り、深める。乙川の新しい過ごし方をさがしにお越しください!
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▲朝一に自転車で額田まで行って汲んで来た延命水。そのお水を使ってできた振る舞い味噌汁。
▲乙川で育った鮎と乙川の支流の近くで育った紫麦を使ったクラフトビール
▲子どもたちも元気いっぱいに楽しんでいます
▲自然と常に対峙している農家のみなさんのお話
▲都会の中のキャンプ場。ドラム缶風呂に子供達も大はしゃぎ。
乙川で過ごしたり、プログラムに参加すると、今、自分たちが暮らしている街の大きな自然の一部なんだな、と感じます。
今回の手づくり郷土賞のおとがワ!活用実行委員会のプレゼンのテーマが『川で遊び、川に学び、川と暮らす「おとがワ!ンダーランド」』となっているように、まさに、乙川は、遊び・学び・暮らしのフィールド!
長くなりましたが、おとがワ!活用実行委員会のみなさんをはじめとした、乙川で活動するみなさん、受賞おめでとうございます!
※一部写真提供:おとがワ!活用実行委員会