シゴト

【仕事・レポート】北条まちづくりプロジェクトキックオフトーク&記者発表会

2018年8月24日


2018年8月21日(火)、大阪府大東市の大東市立市民会館キラリエホールにて『北条まちづくりプロジェクト』のキックオフ・トーク&記者発表会が行われました。
いよいよ本格稼働するプロジェクトの意義や概要説明があり、またプロジェクトに関わるみなさんの熱気が溢れたキックオフになりました。
当日の様子をレポートします。

北条まちづくりプロジェクトとは?

大東市は、大東に住み、働き、楽しむ、ココロとカラダが健康になるまちづくりを目指しており、その一環として「北条まちづくりプロジェクト」が始動しました。

大阪府・大東市北条エリアは、四条畷駅・野崎駅からすぐ、都市部でありながらも、飯盛山を背景に抱いた大変緑豊かな場所です。
北条まちづくりプロジェクトは、現在老朽化の進む市営住宅や公園が立地するこのエリアを、次世代につながる形で再整備していくプロジェクトです。

プロジェクトでは対象地約1ヘクタールの土地に、借り上げ公営住宅・民間賃貸住宅の住宅、生活利便施設等の再整備を行います。

市営住宅の建替えは通常は公共事業として行政主導で行われることが一般的ですが、今回はその建替えにPPP(官民連携)手法が用いられる、全国初の例となります。
大東市大東公民連携まちづくり事業㈱、地元の金融機関(枚方信用金庫)等からの出資・融資を受けた特定目的会社(東心㈱)が、民間事業として市営住宅の建て替えを行い、併せて公園・河川の改修や新築する建物に入居する新規テナント(㈱ノースオブジェクト㈱ソトアソ)誘致も含めた取り組みを行い、事業敷地を核としたまちづくりを行っていきます。(下図・事業スキーム参照)


※会場にはパートナー企業のノースオブジェクトよりクロワッサンの差し入れや、現地の設計模型の展示もありました。

キックオフトーク&記者発表会

キックオフトークでは最初に大東公民連携まちづくり事業㈱(coomin)の入江智子さんより、上記に記載したようなプロジェクト概要の説明がありました。
 


続いてこのプロジェクトに関わる7名の方が登壇され、北条プロジェクトの意義や想いについて語りました。
以下、スピーカーの方々がお話された内容を要約してお伝えします。


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★大東市長 東坂浩一さん

これからの人口減少や高齢化の問題はなかなか止められるものではありません。その中で市民の皆さんの生活を支える行政の仕組みをどう維持していくか、これは各行政関係者の大きなテーマです。大東市でも従来のスキームではなかなか維持が難しい。官の持っている財産や資産や計画、民の持っているアイデアやノウハウを足し合わせながら、地域に住んでもらえる喜びを実現していきたい、そんな思いで本日に至ることが出来ました。
住みたいまちランキング、のようなものには大東市は決して登場しません。そんな大東市ですが「ココロとカラダが健康になるまちづくり」を目指して、市民自らが想いを持って、幸せやライフスタイルを積み上げていき、素敵な人たちの集まるまち、住みたい・住み心地の良いまちにしていきたいと思います。北条エリアを初めとして、周辺エリアも住む人が幸せを感じられるようなまちを目指していきたい。そのために何年もかけて議論を交わし、民間のアイデアやノウハウがうまく官に注ぎ込まれるようなスキームが出来ないかと模索してきました。様々な方の協力を得て、本日のキックオフを迎えられ、感慨深いものがあります。集まって頂いたプレーヤーの皆さまと共に、民間のアイデアが実現され市民の方に喜んでもらえるまちをつくっていきたいと考えております。
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大東公民連携まちづくり事業㈱(coomin) 取締役・まちづくり事業部長 入江智子さん

私は元々、大東市役所の職員として市営住宅の建て替えを担当していました。建て替えとなると、単純な200戸の部屋を積んだ箱のような住宅プランが検討に挙がったこともありましたが、それが本当に暮らす人やまちのために、ワクワクするようものになるのだろうか、という疑問を抱いていました。その時に地域の方と話す機会が沢山あったのですが、地域の皆様からも、建て替えを機会にまち全体の価値が上がるようなプロジェクトを、地域も市役所も一体となって出来ないか、というお話がありました。その話から岩手県のオガールへ勉強をさせて頂きにいきました。
それを経て、やはり単なる建て替えではなく、建物だけではなくエリア全体のイメージが変わり、素敵な生活があるまち、それが実現されるようなコンテンツを生み出したいと、市役所からcoominに入りました。
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★東心㈱ 代表取締役・鈴木竜次さん

私自身、北条3丁目の市営住宅に居住し、両親もずっとこのエリアに暮らして来ました。避けては通れない事ですが、北条3-4丁目は同和地区、いわゆる被差別部落地域です。過去にも市営住宅の建替えの話が挙がりましたが、なかなかうまく進みませんでした。
単純に巨大な箱のような、閉鎖的な、部落の象徴のような住宅は建てて欲しくない。地元の人たちが本当に望み、地域外の人たちも住んだり、遊びに来てもらえるような開けたエリアになって欲しいという思いがあります。今回、一緒に事業を進めて下さる皆さんと出会い、官民連携という形でキックオフ出来たことを嬉しく思います。地元の人たちの中にも色んな意見がありますが、素晴らしいものが出来れば納得してもらえると思います。全国的にも市営住宅建て替えのモデルとなるような事業にしていきたいと思います。
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㈱ノースオブジェクト 代表取締役・南大助さん

私は自分の子育ての経験から、子育てママやファミリーを応援するような事業がしたいと20年前に会社を立ち上げました。子育てママを中心としたアパレル展開などを行ってきましたが、ものを作って売る、ということだけではなく、何とか子育てママももお子さんも楽しめる場所を作りたいという思いを長年い抱いていました。北条エリアは駅から歩いてすぐなのに山が近く自然が豊かで、素晴らしい環境です。また市長はじめ、関係者のみなさんの熱い思いにも触れ、実際に社員40人でこのエリアを見て、本社オフィスの移転と、事業の実施を決定しました。
このエリアでは、本社オフィスと共に、アパレル3ブランドのショップ展開や豊かな生活を叶える雑貨やパンの販売、手づくり工房やレンタルスペースの設置、ワークショップの実施などを考えています。
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㈱ソトアソ 代表取締役・菊川光徳さん

現在、交野市の私市駅前でアウトドアショップを運営しています。市は違いますが、山は繋がっていますので、大東市側から山を走ってお店にいらっしゃる方も多くいます。元々私は海の遊びを中心にしていたのですが、幅広い「外遊び」という考えから、山に興味を持ってトレイルランを始めました。外遊びのワクワク感、童心にかえって楽しむことが出来るようなプログラムを提供したいと思っています。飯盛山は駅からすぐ行ける里山で、それはまちの大きな魅力です。私市、北条の2拠点で外遊びの魅力を発信していきたいと思います。
具体的な事業の構想としては、店内と外が繋がっているような店舗になればと思います。遊びにきていたらいつの間にかアウトドアグッズを見ている、アウトドアグッズを見に来たら遊んでいる、周辺の自然を活かしながら、中と外が一体になったお店を作りたいと思います。
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枚方信用金庫 理事長・吉野敬昌さん

今回の融資は通常の融資と違い、特定目的会社(SPC)というまだ1期の決算も終わっていない会社に14億の融資するという点で、またノンリコ-スローンという扱いですから、非常にリスクの高い融資です。実際14の金融機関から応募があったそうですが、融資を出来たのは弊行1行のみということでした。
職員が一緒になって厳しく事業計画を作りこんできたこと、非常にやる気のあるテナントさんとの出会いもあり、また地域の方々のためにもなる事業だということで、是非進めていきたいと考えています。決断には覚悟が必要でしたが、決断したからには大東市の発展のために、運命共同体として皆さんと事業を進めていきたいと思います。
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㈱オガール 代表取締役・岡崎正信さん

私が仕事をしているオガール紫波のある岩手県紫波町は人口3万3千で、財政的には県内でもワースト1のまちでした。お金がないから市民の人たちが欲しいと思っている施設が作られない。そのまちで、公民連携によるまちづくり「オガールプロジェクト」にとり組んできました。この10年間で火葬場、体育館、図書館などを民間事業として実施し、事業を徹底的に回して借金を返済しています。官主導の公民連携ではなく、民主導で行い、きちんと銀行から融資を受けることがポイントです。入江さんはそんな私の所に事業の勉強にやってきました。
北条プロジェクトは単なる市営住宅の建て替えではありません。今回㈱東心の鈴木さんを始め、素晴らしいプレーヤーの方々が集まっている。そして市営住宅の建て替えを民間が行い、徹底的に事業を回すことで、地域のエリア価値上がり、結果的に固定資産税が挙上がり、行政サービスの質が上がる所までつながるわけです。この画期的なプロジェクトを今後も見守っていきたいと思います。
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記者発表では6名で写真撮影。キックオフに相応しい、オリジナル?手つなぎと笑顔です。

画期的な事業スキームを現実のものとしていくためには、それを実現していく実際のプレーヤーいるかどうか、という所がプロジェクトを左右していきます。
今回、それぞれのプレイヤーの方のリスクは決して小さくはありませんが、それでも、まちの未来とそこで実現する、幸せで豊かな暮らしに向けて、団結してこのプロジェクトを形にしていこうという強い思いをと、実際に厳しい事業検証を繰り返してプロジェクトを進めていることを感じることが出来ました。

市営住宅の建替が完了し、まちがオープンするのは2020年の春を予定しています。
ハートビートプランは、大東公民連携まちづくり事業㈱の一員として、この事業に関わっていきます。

今後このプロジェクトがどう進んでいくのか、またオープン後のまちがどのような姿になり、どのような暮らしが実現されるのか、
今後も北条まちづくりプロジェクトにご注目下さい。

(記・山田友梨)

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