2018年6月3日
4月23日(月)~5月13日(日)までの3週間、社員研修として、ドイツ・デンマークへのワールドツアーに行ってきました。
その様子をレポートにしてお届けします。
第1弾は泉によるHBPの動きと、各都市の概要紹介です。順番にお楽しみ下さい!
※文末に各記事へのリンクがあります。
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今年は半年以上前から決めていた、自分たちが関わっているプロジェクトについて、国外の人の目で見ていただき議論する場を持ちたい、そして日ごろ感じるモヤモヤやポジショニングを確認したい、という目的でワールドツアーを企画した。4/23~5/13の約3週間のツアーだったが、事務所のメンバーで同じものを体験し感じて議論する貴重な時間となった。
関空からフランクフルトへ。まずはAIRBNBに荷物を預けてまちをぶらぶら。おいちゃん(設計ふたり・森さん)と合流。
(左)フランクフルト中央駅(右)広場に面するインフォメーション
(左)ゲーテ広場(右)川沿いの橋詰広場、殿橋テラスのよう!
(左)旧市街の歩行者占用モール(右)デパートの屋上の展望レストラン
(左)食いしん坊通りという名がつく総菜屋さんが並ぶストリート(右)ビジネスマン達が総菜屋でテイクアウトしてランチを楽しむ
(左)マンガはやはり充実(右)この圧倒的な肉量にやられました〜
次の街はハンブルグ。フランクフルトからICEにて移動。第二の港町だけあってワクワク。
ハンブルグは人口175万人、エルベ川河口から100kmほど上流の港湾都市。ドイツではベルリンに次ぐ第二の都市、港湾としてはヨーロッパではロッテルダムに次ぐ第二の貿易港でドイツ内では最大。大阪とは姉妹都市の関係。
(左)ICEの指定先が取れず乗ったら予想以上に混んでいて食堂車でオーダーしてようやく席を確保(右)ハンブルグ中央駅
(左)ハーフェンシティの最寄駅Baumwall(右)潮位対策の水門を通り抜ける
(左)ハンブルグでのAIRBNBはなんと帆船!エルプからすぐの一等地の桟橋に係留されている(右)オーナーからの説明を受ける、ここはホテルじゃない、トイレもシャワーも外でよろしくとのこと
旧市街に隣接する157haのヨーロッパ最大級の港湾エリアの再開発プロジェクト。2025年までに、働く、居住区域、文化、レジャー、観光、小売業をミックスして、水没を前提とした人と水辺の関係をポジティブに考えた都市をつくる。ベネチアや女川と共通点がありそう。約7,000軒の住居と約45,000人の雇用が創出し、水上の新しいダウンタウンとする計画。すでに企業や大学、住宅の一部は入居しており、現在も工事が進んでいる。一気に建設を進めるのではなく、ゆっくり徐々に進める方法がとられている。つい先日の2017年にエリプフィルハーモニーが完成したところ。この中には後述する倉庫街も一部含まれている。感じたこととしては、スーパーや小さい店がなく生活感がなく住むのが不便かもということや、パブリックスペースやゾーニングが計画されすぎていて(当たり前であるが)もう少しあそびが欲しいこと、今回はまだ寒かったので水辺を普段使いしている市民や住民があまりおらず潮位差が激しい中もう少しデザインできることはないか、など。10年経過し3つのアンカー企業のうち2つが以前あった旧市街に戻ったとも聞いた。これだけ魅力が高く湖という水辺に隣接する旧市街やが隣接している時に、ここにしかない魅力をどう打ち出すのか、自分ごととしても課題だなあ。
詳しくは別途園田のレポートをご覧ください!
ハーフェンシティの全体像 https://www.hafencity.com/de/startseite.html
(左)護岸から高さを確保し張り出した住居部分(右)頑丈なポンツーン、インフラも接続されている、潮位差が大きく一日3m以上変化する
(左)増水時にも移動可能な2Fレベルでの歩行者アクセスネットワーク(右)建物の中を貫いている
(左)1Fや地下駐車場への入り口は増水時に備えて全て耐水扉が設置されている(右)運河に面したオープンスペース
(左)正面がユニリーバのハンブルグ支社、右が高級マンションのマルコポーロタワー(右)ユニリーバの建物の内部には大きなアトリウムhttps://behnisch.com/work/projects/0344
(左)レストランに併設されている共用シャワーとトイレ(右)帆船で泊まるのでここを使う必要があると思って場所を確認したけど結局は遠すぎて近くのカフェで用を足すことに
(左)国際海洋博物館、個人のコレクションと聞いて驚き(右)海と船についてのあらゆる展示が建物フロアに
(左)なんと巨大なLEGOのクイーンエリザベス(右)オーナーのミニチュアコレクションがずらり
(左)海兵服コレクション(右)現在のハンブルグ港の物流
(左)南北に配置されたローゼパークの芝生(右)集合住宅は現在建設&販売中
(左)2014年にオープンしたハーフェンシティ大学、地下鉄と連動(右)メディア企業が入居
(左)インフォセンターは2ヶ所あり、全世界からの視察が訪れる(右)ひとつは以前の発電所跡の建物をコンバージョン
(左)都市模型展示やレクチャースペースとカフェ(右)受付
(左)ふたつめは国際海洋博物館の目の前にある(右)大阪と姉妹都市だということで名前がOSAKA
(左)こちらはプロジェクトの概要や詳細の説明が充実している、受付の女性は大学に行きながらハーフェンシティ開発会社でアルバイト(右)潮位が上がった時はこうなる
(左)ビューポイント(右)上部からの眺望、今後の開発計画がよくわかる
詳しくは別途園田のレポートをご覧ください!
自由港の開設に合わせて19世紀後半に造られた30万平米の規模を誇る世界最大の倉庫街でシュパイヒャーシュタット(Speicherstadt)と呼ばれる。7階建の倉庫には屋根についている滑車で荷物を運んだ。自由港開設後に工業製品を主とした貿易量が増大し世界を代表する国際貿易港に。第二次世界大戦で大きな被害を受け復興したが、コンテナ物流への転換などで役割が終わり、ハーフェンシティのプロジェクトへつながる。2015年に倉庫街とチリハウスを含む商館街が世界遺産に登録された。圧倒的な存在感。
(左)運河沿いの倉庫の景色は圧巻(右)建物上部には以前利用していた滑車があり今でも使われているそう
(左)以前のハンブルグ港と倉庫街(右)出典:Wikipedia 世界遺産登録範囲(赤)および緩衝地域(黄)
(左)倉庫街のクルーズ、正面の建物はカフェになっている(右)夜には倉庫がライトアップされる
(左)運河の裏の様子(右)護岸改修中
(左)新たなランドマークとなっているエルプフィルハーモニーの低層部の赤レンガは、その場所に建っていたハンブルグ港最大の倉庫の外壁を活用、コンサートホール、ホテル、住宅、駐車場などで構成される(右)施設の断面図https://www.elbphilharmonie.de/
(左)入り口からの長いエスカレーターのアクセス(右)地上37mの広場はホールやホテルの入口になっている
(左)外に出ると一周でき全方向をの眺望を楽しめる(右)夜の光は幻想的、イベント時にはレーザービームの演出がある
出典:http://www.spiegel.de/kultur/musik/elbphilharmonie-gaeste-sind-am-eroeffnungsabend-begeistert-a-1129604.html
(左)中心部のアルスター湖の周りは美しい景観(右)湖の遊覧船乗場
(左)市庁舎のすぐ横には運河と水門(右)ニベアの本拠地ハンブルグのニベアハウス
(左)旧市街のホコ天エリア(右)中央駅から西に伸びるメンケベルク通りはバスとタクシーだけが通るトランジットモール
(左)世界遺産に登録されたチリハウス、船をイメージして建てられた海運商社のオフィスビル、大阪で言えばダイビルかな
(左)旧市街ではないけど若者が集まるシュテルンシャンツェ(右)一歩通りの奥に入るとグラフィティだらけ →別途有賀のレポートをご覧ください!
(左)ヨーロッパ屈指の歓楽街、ナイトクラブやレストランバー、劇場などが集積、道路の雰囲気がすでにエンジョイモード(右)ギラギラ色の変わるビル壁面
(左)ユニークな看板(右)この先はゲートがあり女性と未成年者は入れない飾り窓エリア
(左)海沿いに残る港?の建物、このすぐ隣には100年以上前にできた車&人の通れる海底トンネルがある(右)水上バス乗場
(左)対岸にある二つの劇場には船でアクセスする(右)海の風を浴びながらヴァイツェンビール
(左)運河沿いの遊歩道はデザインされ現在整備中(右)ハーフェンシティの近くは整備済
(左)常時係留されている船上BAR(右)中はこんな感じ
(左)コペンハーゲンへの移動は鉄道&フェリー(右)鉄道がそのままフェリーに詰め込まれ対岸まで運ばれる
(左)フェリーの中(右)向こうに見えるのは鉄道の線路、以前の宇高連絡船を思い出させる
(泉英明)
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その他のワールドツアーレポートはこちらから ⇓
【泉編】
【有賀編】
【園田編】
【マチメグリ】ワールドツアーレポート:園田編・前篇『都市デザインの力と本質的なガバナンス(前半:Malmö, Sweden)』
【岸本編】
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